5月度ランチ献立表のご案内

5月のテーマ「5月15日沖縄本土復帰記念日に思う、忘れてはならない沖縄の歴史と思い」

明治・大正・昭和の年代なら「夏も近づく八十八夜♪…」と言う唱歌を歌ったり、聞いたりした方多いと思います。そもそもこの歌の内容は茶摘みに関するものだったと記憶しておりますが、この八十八夜…立春から数えて88日目(立春の87日後の日)の雑節のことから、概ね5月1日~3日、つまり丁度今頃に相当します。ちなみに、末広がりで縁起が良いとされる「八」と言う数字が2つ組み合わさると「米」と言う字になることから八十八夜のこの日は、お茶農家に限らず農業に従事する人にとっては特別な日だったそうです。尚、農業関係者に限らずとも、5月は漂う空気感も清々しく、気温もちょうど心地よく、自然にとってもいよいよ緑が色づく新緑の季節として、好ましい印象を持っている方も多いことと思います。
 さて、そんなさわやかさ度NO1ともいえる5月ですが、私たち日本人にとって忘れてはならない日が、今から43年前の1972年5月15日に沖縄が本土復帰した「5月15日沖縄本土復帰記念日」と思います。なぜなら、今日私たち日本人が平和な生活を享受できているのは、沖縄と沖縄で暮らす人々の大変な苦悩・苦痛と尊い犠牲の上にあると思えるからです。事実、この沖縄の苦難の歴史をさかのぼれば、太平洋戦争において唯一の本土決戦の地となったのが沖縄でした。この沖縄戦の約3~5ヶ月の間の戦闘で亡くなった日本兵及び一般住民の方々は、一般住民約10万人を含め約20数万人といわれています。しかも、学生はもとより女性、子供まで動員されながら、敗戦濃厚となりと突然解散命令が出され、「防空壕の中での集団自決を余儀なくされた方方」「防空壕に入りきれないからとを外に追いやられた負傷者・病人の方々」「米兵に見つかり虐殺・強姦の辱めを受けるくらいならと、自ら自決してしまった方々」など数多くいらっしゃったと聞きます。また、生き残った方の中には、米兵に見つからずに逃走する上では、どうしても足手まといとなり、万一見つかれば全員が殺されるとの切迫した危機的状況の中で、自らの腹を痛めて産んだ幼いわが子、幼子を身が引き裂かれる思いで涙ながらに間引きしてしまい、戦後今日に至るまで、この地獄の苦しみのごとき記憶を今も抱えたまま苦しんでいらっしゃる方もいることを、ご本人たちの手記で読んだことがあります。まさに本来この世に決してあってはならない想像を絶する阿鼻叫喚の世界を、当時の沖縄の方々は目の当たりに実際に体験しているのです。
 そしてさらに悲しいことに、この恐ろしい戦争が終わってからも、沖縄はアメリカの統治下に入り、軍事拠点として大規模な基地建設と、その後のベトナム戦争を契機としてさらに基地が拡大強化されることとなります。この間、復帰運動が繰り広げなれながらも、アメリカの沖縄統治は続きます。ところがついに1971年に結ばれた「沖縄返還協定」によってようやく1972年終止符が打たれ、5月15日午前零時、27年ぶりに日本に復帰しました。しかし基地の返還は裏切られ、相変わらず危険と騒音の隣りあわせの不安な中での日常生活を強いられ、47都道府県中最下位の生活水準も、返還後43年が経つ現在も以前変わっていません。そして、このような多大な犠牲と辛酸をなめてきた沖縄に、引き続き旧態依然の犠牲を強いる流れとして、現在、米軍普天間飛行場の辺野古移設問題がマスコミ報道等でも取り沙汰されています。この問題については、政府と沖縄の対立の長期化は避けられそうにありませんが、長引けば長引くほど振り回され、さらなる犠牲と落胆を味わうことになるのは、結局は沖縄県民であり名護市辺野古の住民の方々であることを忘れてはなりません。この問題に対して、短期間に両者が円満解決できる方法や道筋を見出すのは至難の業と思います。しかし、だからと言って解決の努力を放棄してしまったら、何も始まらず何も改善しません。少なくとも私たち日本人一人一人が、徹底的に思考する、例えば、「徹底的に沖縄県民の立場に立って考える」「歴史的視点を踏まえ考える」「我が国の安保法制や日米安保条約等の内容吟味・検証よりアプローチできる視点がないか考える」「平和国家の歩みとしての中長期視点で考える」etcの思考作業は、必ずより良き未来に繋がってくると信じたいです。そしてそのための第一歩として日本人の一人でも多くが「まずは今よりもっと沖縄に関心を持つこと」「そして、そのために例えば沖縄に関する本・記事・歴史に日頃から注目して、なるべく読む込む習慣を作ること」から始めてみるのはいかがでしょうか?「基地負担の問題は、ほかならぬ日本全体の問題であり、ひいては私たち日本人一人一人に直結する身近な問題」のはずなのですから。

さて、5月のカフェリべルタは連休多く、その分例月より開店営業日が少なくはありますが、5月の青空や新緑のごとく、さわやかなムードで皆様をおもてなししたいと思います。

ランチ献立表最新版ダウンロード(PDFファイル)

PDFファイルをご覧いただくにはアクロバットリーダーが必要です。お手持ちのパソコンにインストールしてない場合は、以下のアイコンから最新版がダウンロードできます。
get_adobe_reader