7月度ランチ献立表のご案内

6月のテーマ「猫にまつわる二つのストーリーより学ぶ満ち足りた人生の極意」

いよいよ7月……もうじき梅雨開けと本格的な夏がはじまりますが、あの夏の定番「チューブ」に勝るとも劣らない夏大好きの私には、7月に入ってから梅雨が明けるまでのこの微妙な時期が大変長く感じてしまうところです。
ところで一方大の猫好きの私にとっては、6月下旬にややショッキングな出来事がありました。それは、知る人ぞ知る「群馬テレビ」でシーズン2として4月より毎週日曜夜に放映されていたちょっと変わった時代劇ドラマ?「猫侍」が先月の6月28日(日)を持って最終回を迎え終了してしまったことです。

ここでこの「猫侍」のストーリーを簡単に紹介させていただきます。
〈猫侍のあらすじ〉
時は幕末、主人公の斑目久太郎は元、加賀藩剣術指南役で無双一刀流の免許を持ち、かつては「まだら鬼」とも呼ばれ恐れられた凄腕の剣客でした。しかし理由はさておき奉公先をリストラされてしまい、今はしがない浪人に身をやつし再起をかけ貧乏生活を続ける日々。そんな久太郎にある呉服問屋の番頭より「堅物だった主人が猫を飼い始めてから幼子のように骨抜きの優しい人になってしまったので、きっと「化け猫」に違いない。なので、この猫を退治してほしい」との話が舞い込んでくる。ばかばかしいと疑心暗鬼ながらも話を引き受けた久太郎が、いざその「化け猫」に対峙すると、そこには「無垢な愛くるしい眼差しとたたずまいで久太郎を見つめるまっ白い猫、玉之丞の姿が……。侍としてのスイッチが入ると剣の腕はめっぽう強い久太郎でしたが、実は気も小さく命あるものを斬ることが苦手。玉之丞を引き取り一緒に生活することとなる。当初は慣れない猫との生活に戸惑い、幾度か手放そうともしたが、玉之丞はみるみる久太郎になつき、ついに二人(一人と一匹)は切っても切れない家族同様の強い絆で結ばれることとなる。

このドラマには毎回、ありふれた日常生活のドタバタ劇が描かれてきますが、二人の絆は回を追うごとに着実に強まってゆきます。そして、なによりもかつて武士として生きる道を見失っていた久太郎の中に、迷いなき確信…それはいわば武士道を極めて行く基盤として、身近な命あるものをいくつしみ、守りぬこうとうする意思の強さがひしひしと感じられました。私としましては、この微妙な空気と魅力あふれる「猫侍」を観ていて、かつてベストセラーともなった絵本「100万回生きたねこ(佐野洋子さん作)」のストーリーを思い出しました。これについては、内容をよく知っていらっしゃる方が多いと思います。若干私なりの内容に関しての個人的な受け止め方も含みますが、あらためて簡単に説明させていただくとともに、共感したところを以下の通り述べさせていただきたいと思います。

〈100万回生きたねこのあらすじ〉
100万回も死んで、100万回生きたとらねこがいました。100万人の人がそのねこをかわいがり、100万人の人がそのねこが死んだとき泣きました。あるときは王様、あるときはふなのり、あるときはサーカスの手品師、どうぼう、おばあさん、小さい女の子のねこでした。でもいつでもこのねこは、自分が大好きなので、飼い主が彼が死んだときにどんなに深く悲しんだか、どれほどの愛情でかわいがってくれていたかは、関心なく気付くことができませんでした。しかしあるとき、ねこは誰のねこでもないノラねことして生きました。この時、自分がすでに100万回も生きてきたことを、まわりのねこに偉ぶって話しては、それを聞いて賞賛してくれるねこ、ちやほやしてくれるねこの存在に満足していました。でも心は物足りなく本当は孤独なねこのままでした。しかしそんな自慢話にはまるで興味を示さない、けれどこのねこにとっては、とても美しくて魅力的な白いねこに出会います。彼は白ねこの気を引きたくて自分から近づいては、「俺は100万回も…」のような自分大好き自慢話しをしつこく繰り返しますが、そんな話に彼女は全く反応しません。しかしあるときついに彼は、「俺は100万回も…」と言いかけて、いいかげんその話をやめて、ただ「そばにいてもいいかい」と白ねこにたずねます。白ねこはただ「ええ」と答え、それからはねこはただだまって、いつまでもそばにいました。この後、ねこは白ねことの間にたくさんの子ねこをもうけ、いつしかねこは、白ねこと子ねこたちを自分よりずっと好きに、そして大切に思えるようになりました。やがて子ねこたちは大きくなって独り立ちしてゆきました。残された白ねこもおばあさんになっていましたが、いつもねこのそばにいて、やさしくぐるぐるとのどをならしていました。ねこはそんな白ねこといっしょにいつまでも生きていたいと思いました。しかしある日、白いねこはねこのとなりでしずかにうごかなくなってしまいます。ねこ100万回生きた人生の中ではじめて泣きました。朝になって夜になって再び朝になって、ねこは100万回も泣きました。ある日のお昼にねこはなきやみました。ねこは白ねこのとなりで静かにうごかなくなっていたのです。ねこはもうけっして、生き返りませんでした。

絵本の良いところ、醍醐味は、読後に感じた言葉にできない込み上げてくる思いや感情をただそのまま味わうことにあると思いますので、このストーリーの細かな解釈や感動どころのコメントは控えさせていただきます。しかしながら、ありふれた日常の中に、自分以上に心から大切に思える存在との出会いと、その人との生活はどんなにか美しくかけがえのないものなることでしょうか?そして、その自分よりも大切に思える命の存在は、対する人の心をより優しく心穏やかにさせていくものなのでしょう。私は、このドラマ「猫侍」、絵本「100万回生きたねこ」の織りなすそれぞれのストーリーに、「大切な人のそばにただよりそうだけ」で、人生を心豊かに生きて行けることの教えを学びとることができました。

さてさて、本題7月のカフェリベルタに話題を移りたいと思います。考えてみれば、梅雨は大地を潤すためになくてはならない大事な時期です。そこで、どうせなら待ち遠しい梅雨明けまでのこの時期を、心地よくさわやかに過ごしていただきたいものです。7月のカフェリベルタは、ひと時でもそんなさわやか気分でお過ごしいただけますよう、今月もより多くの皆様方のお越しをお待ち申し上げております。

追伸:衛生面の問題がちゃんとクリアできるならば、本当のところカフェリベルタでも「猫店長」でも雇ってやってみたいものです。

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